はじめに:インバスケット演習って何?と不安なあなたへ
「研修でインバスケット演習があると聞いたけれど、具体的に何をするの?」「事前に準備できるの?」
そんな不安や疑問を抱えて、このページにたどり着いた方も多いかと思います。
結論から言えば、インバスケット演習には“傾向”があり、事前準備は可能です。
本記事では、実際に演習を受け、研修のオブザーバーも経験した私の体験もふまえながら、
- インバスケット演習の概要
- 代表的な例題のパターン
- 対策のコツ
- 初心者にもおすすめの書籍
をご紹介します。
インバスケット演習とは?
インバスケット(In-Basket)とは、直訳すると「未処理の書類入れ」のことです。
そこから転じて、上司の立場になって、たくさんの案件を限られた時間内にどうさばくかを問う演習です。
例えば、こんな状況が与えられます。
あなたは○○部の課長です。本日出社すると、机の上にさまざまな未処理案件が届いていました。これから1時間以内に対応方針を検討してください。
このようなシナリオのもと、数十件のメール・メモ・相談記録などを読み取り、優先順位を考えながら対処方針を記述します。
一件一件は落ち着いて考えれば難しい内容ではないものの、未処理案件がたまっているという状況下で制限時間もあることから、演習をやりながら焦ってしまう受験者が多い試験です。
よくある例題パターン【インバスケット 例題】
実際のインバスケット問題は企業や主催機関によって異なりますが、以下のような“あるあるシチュエーション”が存在します。
- 部下の不調やトラブルの報告:対応方針や声のかけ方を問われる
- 社内のクレーム処理:他部署との連携やスピード感が評価される
- 業務の優先順位判断:同時に複数の業務依頼が届く
- 部下の昇進・配置換えの相談:育成視点があるかどうかを見る
- 数値目標に対する対策案:戦略的視点が求められる
重要なのは、「解答の正しさ」より「思考の一貫性と優先順位の判断軸」が評価されることです。
私が実際にインバスケット演習を受けたときのこと
私は管理職登用試験の一環で、インバスケット演習を受けました。
実際にやってみて感じたのは、「とにかく時間が足りない!」という焦りです。
- 演習スタート:最初の1〜2問に慎重になりすぎて時間をかけてしまう
- 自分のクセ:完璧な文章を書こうとしてしまい、時間を浪費してしまう
後から振り返って思ったのは、完璧な正解を出すことより、「限られた時間内でどう判断するか」が見られているということです。
また、下記の記事でも書きましたが、インバスケット演習中に面談演習が差し込まれる場合があり、時間管理と精神面のコントロールに注意が必要です。

インバスケット対策の3つのコツ
では、初めてインバスケット演習に挑む人に向けて、私が感じた「事前準備のコツ」を3つご紹介します。
① 時間配分を意識する
本番は60〜90分で10〜20件を処理する形式が多いです。
最初の案件に時間をかけすぎると、後半の対応が浅くなってしまいます。
演習時間と処理件数から、1件あたりにかけられるおおよその時間を確認しておくと安心です。
また、手書きで回答を書く場合は、自分の文章を書くスピードも意識しながら時間配分を考えましょう。
② 対応の「優先順位」と「理由」を言語化する
案件の説明を見ていると「どれも対応しなければならない」と感じてしまうかもしれません。
ただし、この演習で問われている素養の一つに「優先順位付け」があります。
なぜそれを優先したのか?その理由を明確に書くことで、思考の背景が伝わります。
例:「○○さんの体調不良は他メンバーへの影響が大きいため、優先度を高く設定した。」
③ パターンに慣れておく
どんなに優秀な人でも、演習形式に不慣れだと力を発揮できません。
管理職としての判断のスピードや質の向上は一朝一夕には実現しません。
ですが、少なくともインバスケット演習は事前にパターンに慣れておくだけで、格段に当日の安心感が増します。
対策には「書籍での自主トレ」が最も有効
私自身、演習前に書籍を使って何度か練習しました。
特に役立ったのは、複数の対応方針を比較しながら、自分の思考を深められたことです。

当サイトでは、インバスケット以外の試験対策(面接・グループ討議)に特化したプログラムを提供していますが、インバスケット演習の準備は書籍による独学が有効です!
私が使った書籍も含めて、以下におすすめを紹介します。
※リンクにはアフィリエイト広告が含まれます
まとめ:インバスケット対策は「自分の判断軸」を磨く練習
インバスケット演習は、「この状況でどう判断するか」を問う本質的な試験です。
その分、自分の仕事観や判断軸が試されるとも言えます。
書籍を使った自主トレで、「どんな状況でも自分なりの筋の通った判断ができる」準備をしておくことが、最大の対策になります。
本格的な対策をしたい方へ(サービス紹介)
私の提供する「管理職登用・昇進昇格試験のオンライン相談室」では、インバスケット以外の試験対策(面接・グループ討議・小論文等)に特化したプログラムを提供しています。
- 模擬面接・フィードバック
- グループディスカッションのロールプレイ
- 論文・エントリーシート添削
など、試験直前期の「最後の仕上げ」として、ぜひご活用ください。