はじめに:「アセスメントって何?」と不安に思っているあなたへ
管理職登用試験の一環として、「人材アセスメント(アセスメント研修)」を受けることになった。
でも、ネットで調べても実際の雰囲気や対策について具体的な情報が少なくて、不安になる…。
私自身も自分が受講者の立場で参加した際はとても緊張したのを今でもよく覚えています。
この記事では、私が実際に受講者としてアセスメントを体験した立場から、目的や内容、当日の雰囲気までリアルな情報を丁寧にお伝えします。
人材アセスメントの概要
目的は?
人材アセスメントの目的は、管理職としての適性を“行動ベース”で評価することです。
- 面接や論文では見えづらい「判断力」や「対人影響力」
- ストレス下での対応力やリーダーシップ
- チームで成果を出すための姿勢
こうした要素を、外部の専門評価者(アセッサー)が客観的に見極めます。
対象者は?
このアセスメントは、主に管理職登用試験の受験者が対象です。
企業としても、管理職に登用させるか否かは非常に重要な判断であり、外部業者を使い多面的・客観的に判断するために導入しています。
いつ・どこで実施される?
一般的に、管理職登用試験では複数の試験を実施することが多く、
私の経験上、この人材アセスメントは、複数試験の最初または最後であることがほとんどです。
最初の試験である場合は受験者のスクリーニングまたは育成目的で行っていると考えられ、
最後の試験である場合は合否の最終判断のための客観的データとして活用されることが多い印象です。
一般的には2日間の対面研修の形式で、日常の業務から離れて研修(試験)に集中するため、社外の会議室等を利用します。
最近では、プログラムは多少異なるものの、オンラインでのアセスメントプログラムを活用する企業も増えています。
アセスメントの内容と評価ポイントは?
代表的なプログラムは以下の通りです。
- グループディスカッション
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- 架空の課題について、与えられた役割における視点で討議(役割が指定されない場合もある)
- 評価項目は、論理性・傾聴力・協調性・リーダーシップ等
- インバスケット演習
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- 大量の未処理案件(インバスケット)の対応を制限時間内で処理する
- 評価項目は、情報処理能力・判断力・実行力等
- 面接演習
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- ある行動をとっている部下に対して、上司として面談し部下の行動改善を促す
- 評価項目は、問題解決能力、説得力、多様性、部下支援等
どう進行する?
2日間の全体の流れは以下のようなイメージです。
- オリエンテーション(説明)
- グループディスカッション(複数回行うことも)
- インバスケット演習
- 面接演習
- 個人フィードバック
- 全体の振り返り
演習ごとに自分自身の振り返りを行い、アセッサからもフィードバックが行われます。
また、2日間の最後には、各自の今後の成長課題について個人ごとにフィードバックが行われます。
実体験から語る アセスメント当日の“リアル”な空気
ここからは、私の実体験(受講者側、運営側)も含めてお伝えしていきます。
緊張で何も頭に入らなかったオリエンテーション
研修の開始時にはオリエンテーションが開かれます。
アセッサーの方から流れの説明やマネジメントに関する講義、この研修で用いるディメンション(評価の対象となる要素や能力)がありましたが、緊張しすぎて最初の方の話は内容が頭に入りませんでした。
まるで心ここにあらずの状態。
「ちゃんとできるのかな…」と不安でいっぱいだったのを覚えています。
初めての演習で声が震えた
最初の演習はグループディスカッションでした。
テーマが与えられ、それぞれの役割を演じながら意見を交わします。
順番が回ってきて発言したとき、自分の声が震えていることに気づきました。
でも、途中で「うまく見せよう」とするのをやめて、いつもの自分を大事にしようと切り替えました。
- 人の話をよく聴くこと
- 異なる意見を受け入れる姿勢
- 前向きに議論に参加する態度
これまで自分が大切にしてきたことを思い出し、「そのままの自分で臨もう」と決めたことで、徐々に落ち着いて参加できるようになりました。
インバスケット演習のタイムマネジメントに注意!
これは私の実体験ではなく、後に自分自身が運営側(オブザーバー)として参加するようになってよく目にした光景です。
この研修では、プログラムがバラレルで進行するパートがあります。
具体的には、インバスケット演習の途中で面接演習の予定を組まれている場合があることに注意しましょう。
インバスケット演習に集中しすぎて面接演習の指定時間を忘れてしまったりすると減点対象になる場合があります。
また、面接演習の失敗をひきずってその後のインバスケット演習に集中できなくなってしまう受講生も少なからずいます。
常に目の前の課題に全力で向き合う姿勢が必要となります。
受けたからこそわかる「事前に知っておくべきこと」
「準備できない」と思っていませんか?実は、準備できます
アセスメントは一見「準備ができないもの」に見えるかもしれません。
でも、当日の流れや評価されるポイントを理解しておくことは立派な準備です。
私自身、それをしていたことで、後半は落ち着いて臨むことができました。
アセッサーを“敵視”しない
当日は緊張のあまり、アセッサーを「評価する人」「敵」と感じてしまいがちです。
実際に、私が運営側(オブザーバー)として参加した年度に、受講者の一人が怒って研修途中で帰ってしまった、という出来事があります。
特に、面接演習(部下との面談演習)は受講者を揺さぶるために、あえて受講者を煽るような言動をするアセッサーもいます。
でも、それにのって動揺してしまっては、管理職としての適性(精神的な安定性やストレス耐性)を疑われてしまいます。
アセッサーは評価者であると同時に「あなたの良さを引き出す存在」です。
自然体で、自分の仕事への向き合い方を見せようという姿勢が、一番大切です。
まとめ
アセスメントで求められるのは、完璧さではなく、管理職としての基本姿勢や考え方です。
- 他者と協働できるか
- 判断に一貫性があるか
- 困難な場面でも前向きに取り組もうとしているか
こうした姿勢は、一朝一夕で作れるものではありません。
だからこそ、日頃の業務やコミュニケーションの積み重ねが大切なのです。
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