はじめに
昇進・昇格試験の中でも、最近注目されているのが「プレゼン形式の試験」です。
従来の面接試験と違い、あらかじめ与えられたテーマ、あるいは自ら設定したテーマについて、限られた時間内で発表を行う形式が特徴です。
単に筆記試験で基本的能力を見るだけではなく、「日頃どれだけ業務に主体的に関わっているか」「課題を発見する力・考える力があるか」「その考えを他者に伝え、納得させる力があるか」といった総合力を評価したいという狙いがあるのです。
今回は、このようなプレゼン形式の試験の対策についてお伝えしていきます。
昇格試験論文、ケーススタディ試験、筆記試験などについて知りたい方は、こちらのガイドも参考にしてください。
👉 論文・筆記対策の全体像をまとめたガイド
プレゼン試験の基本構造と評価ポイント
基本的な流れ
プレゼン試験は現状では実施率が低いため、この記事をご覧になっている方にとってもあまり馴染みがないかもしれません。
そこで、まずは、基本的な試験の流れをご紹介したいと思います。
- 1.テーマの設定
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多くの場合、「職場の課題とその解決策」や「あなたが考える理想のリーダー像」など、業務に関連したテーマが事前に提示されます。場合によっては、自らテーマを設定する形式もあります。
- 2.資料作成・事前提出
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パワーポイント等でプレゼン資料を作成し、事前に提出するよう求められることが多いです。提出した資料は面接官にも共有されるため、「構成力」「わかりやすさ」「論理性」等が評価基準となる場合もあります。
- 3.当日のプレゼン発表
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制限時間(例:5分〜10分)が設けられ、その中で発表を行います。
- 4.質疑応答
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プレゼン後は一般的に質疑応答の時間が設けられます。提案に関する深掘り質問から、面接試験と同じような質問まで、さまざまな質問が想定されます。
評価ポイント
プレゼンは“見せる”試験であると同時に、“伝える”試験でもあります。以下のようなポイントが評価項目となる可能性があります。
- テーマに対する理解と掘り下げの深さ
- 論理的な構成力
- 課題に対する解決策の実行性
- 主体性や総合的な人間性
- 昇進昇格や組織への貢献意欲
このような点を意識しながら事前準備を行うことが合格への近道となります。
よくある失敗例
ここでは、よくある失敗例とその回避方法をご紹介します。
- 1.時間オーバー・時間配分ミス
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プレゼン時間が5分と指定されているのに、8分話してしまう――これは実は現場でよく起こりがちなミスです。そして、残念ながら評価としてはかなりマイナスになってしまいます。制限時間は準備すればクリアできる基本事項ですので、しっかり準備しましょう。
類似の失敗として、最初の自己紹介などに時間を割きすぎて、全体としては何とか時間内におさめたものの、本題の説明が不足する、といったケースもあります。こういったミスも事前準備を行うことで回避しましょう。
- 2.抽象的すぎる/独りよがり
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前述のとおり、「職場の課題と解決策」というテーマに対して、ありきたりな内容(「コミュニケーション不足の改善」など)だと埋もれてしまう場合があります。また、会社方針と異なる強い主張も独りよがりと判断される場合があるため注意が必要です。
どのようなテーマを取り扱う場合であっても、「なぜその課題なのか」「どのような出来事があったのか」など、具体的なエピソードを交えることによって聞き手の納得度を上げることができます。
- 3.資料が見にくい
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言いたいことを詰め込んだ結果、文字が小さい、図が複雑すぎる…これもよくある失敗です。
各企業で資料作成に関するルールがある場合はそれに基づき作成するとともに、シンプルかつ一目で意図がわかる構成を心がけましょう。
また、「資料を読み上げるだけ」のプレゼンは面接官にあまり好まれないことにも注意しましょう。
準備すればこわくない!プレゼン対策の6つのステップ
ここまで読んで、「やっぱりプレゼン試験って難しそう…」と感じた方もいるかもしれません。
でも、安心してください。他の受験者も緊張しているし、完璧にできる人はほとんどいません。だからこそ、きちんと対策を積み重ねた人がしっかり評価されるのがこの形式のいいところでもあるのです。
- 1.テーマを選ぶ
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プレゼン試験の最も重要なポイントは「テーマ設定」です。
たとえば「職場の課題と解決策」というテーマに対して、ありきたりな内容(「コミュニケーション不足の改善」など)を選んでしまうと、他の受験者と被ってしまい、印象に残りづらくなる場合があります。
重要なのは、「なぜそのテーマを選んだのか」「自分ならではの視点があるか」という点です。職場でのリアルな体験をもとにしたテーマ選定は、それだけで説得力が増します。
- 2.構成を考える
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話の展開ををわかりやすく構成することが大切です。例えば以下のような流れは、王道ながら効果的です。
- 現状の課題
- なぜその課題に注目したのか(背景)
- 解決策(施策の提案)
- 実行上の工夫・リスクへの配慮
- 期待される効果
- まとめ
以上のように構成をしっかり固めることで、話がわかりやすいという印象を持ってもらいやすくなります。
- 3.資料を作成する
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スライドを使う場合は、文字量は最低限とし、図解を活用するのがおすすめです。面接官がパッと見で「何を言いたいか」が理解できる資料を目指しましょう。
- 4.話す練習をする
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同じ内容でも、伝え方ひとつで面接官の受け取り方は大きく変わります。
以下の基本事項に注意しながら繰り返し練習しましょう。できれば第三者に聞いてもらってフィードバックを受けると効果的です。
- 時間内に収まるように話せるか
- 要点をしっかり伝えられるか
- 声のトーンや姿勢といった非言語情報
面接官は話の中身だけでなく、「この人が上の立場になったらどう見えるか」を無意識に見ています。プレゼンは“将来像のデモンストレーション”でもあるのです。
- 5.想定質問とその回答も準備する
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プレゼン試験は話すだけで終わりではなく、一般的にはその後に、面接試験のような質疑応答がセットで行われます。そちらへの対策もあわせて行いましょう。
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おわりに
プレゼン試験と聞くと、「人前で話すのが苦手…」「緊張して頭が真っ白になりそう…」と不安になる方も多いと思います。
でも実は、昇進試験の中でも準備が可能な試験であるとも言えます。
大切なのは、事前にテーマをしっかり掘り下げ、論理的な構成を考え、聞き手を意識した「伝え方」を磨いておくことです。
プレゼン試験は、あなた自身の仕事に対する姿勢や考えを言語化し、未来の上司や仲間に伝える機会です。「自分の言葉でしっかり伝える」ことを大事にしてください。
プレゼン試験準備で不安を感じていらっしゃる方は、まずは無料カウンセリングからご相談ください。
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