生成AIで昇格論文を書いても大丈夫?|相談現場で増えている悩みとおすすめの使い方

目次

はじめに

ここ最近、昇格試験の論文に関する相談の傾向が少し変わってきました。

一時期、論文の相談は減っていたのですが、昨年あたりから再び増えてきています。その背景には生成AIの影響があるように感じています。

ChatGPTなどの生成AIが広く知られるようになった頃、「小論文もAIで作れるのでは?」と感じた人も多かったのではないでしょうか。

ただ、最近は「AIに書かせた論文で本当に大丈夫なのか」といった相談が増えてきました。中には、AIで作成した文章をベースに提出したものの、結果が思わしくなかったというケースもあります。

この記事では、生成AI時代の昇格論文対策について解説します。

昇格試験のよくある悩みと不安の乗り越え方については以下の記事でまとめていますので、こちらもぜひ参考になさってください。
👉 昇格試験のお悩み相談まとめ


企業側もAIを意識し始めている

受験者側だけでなく、企業側にも変化が見られます。

最近は、昇格試験の要領や案内文の中で生成AIに関する注意事項を明記する企業も増えているようです。

例えば、次のようなパターンです。

  • 生成AIの使用を禁止する
  • 使用は可能だが、独自性や本人の考えを重視して評価する

企業によってスタンスはさまざまですが、少なくとも「生成AIの存在を前提に試験を設計する」という動きが出てきているのは確かです。

こうした状況の中で、「AIをどう使えばいいのか分からない」という悩みが増えているのだと思います。


昇格論文をChatGPTで書いた場合、採点者に見抜かれるのか?

このテーマになると、よく聞かれる質問があります。

「AIで書いた論文は採点者にわかるのでしょうか?」

私の答えは、「生成AIの文章だと感じることはあっても、それを断定することは難しい」というものです。

AI文章の判定ツールのようなものも存在しますが、精度には限界があります。実際、OpenAIも2023年に公開していたAI文章判定ツールを、精度不足を理由に公開停止しています。人間が書いた文章でもAI判定が出てしまうケースがあり、信頼できる判断材料にはなりにくいということだそうです。

昇格試験の論文採点は、企業の人事部だけでなく、外部の専門業者が担当している場合もあります。

そうした専門業者の中には、文章の特徴からある程度の違和感を感じ取る人もいるかもしれません。ただし、仮に「AIっぽい」と感じたとしても、それを証明することは簡単ではないでしょう。


AI任せの論文が評価されにくい理由

では、「判別できないならAIで書いてしまえばいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、それは本質的な問いではないと感じます。

生成AIで作られた文章は一見すると整っています。論理構成も的確で表現力もあります。ただし、実際に読むと次のような特徴が見られることが多くあります。

  • 内容が抽象的になりやすい
  • 具体的な経験や事例が出てこない
  • 書き手の考えや温度感が伝わらない

昇格試験の論文は、単なる文章力テストではありません。「その人が次の役割を担う準備ができているか」「どのような視点で仕事を捉えているか」を確認するためのものです。

そのため、いくら整った文章でも、本人の思考や経験が見えてこない内容では高い評価につながりにくいのです。


長いキャリアを考えるとAI任せは危険

もう一つ気を付けなければならない点があります。

小論文試験があるということは、その企業が「次の等級には一定の文章力や論理性が必要だ」と考えているということです。

もしAIの力だけで試験を乗り切ったとしても、その後の業務の中で困る可能性があります。管理職やマネジメント層になると、自分の考えを文章で整理し、周囲に伝える場面はむしろ増えていきます。

長いキャリアを考えると、「その場を乗り切るためだけにAIを使う」という発想は、あまり得策とは言えないでしょう。


私がおすすめする生成AIの使い方

とはいえ、生成AIをまったく使うべきではないというわけではありません。むしろ、使い方によっては論文準備の助けになることもあります。

私がおすすめしているのは、次のような使い方です。

  • テーマに対する論点整理の壁打ち
  • 自分の考えている構成が妥当かどうかの確認
  • 不足している視点がないかのチェック

こうした使い方であれば、AIは良い補助ツールになります。

一方で、文章そのものをAIに書かせることは、基本的にはおすすめしていません。もちろん、試験要領でAI使用が禁止されている場合は、それを守ることが大前提です。


今後、昇格論文はどう変わっていくのか

生成AIの登場は、試験のあり方そのものにも影響を与え始めています。

例えば、新卒採用の現場では、応募書類やエントリーシートの内容が似通い、個人の価値観や思考の違いを捉えにくくなっているという問題点が指摘されています。そのため、書類選考を減らし、短時間の対話や面接を評価の入口に据える企業も出てきました。

昇格試験でも、同じような変化が起こる可能性があります。

現在はまだ過渡期ですが、今後は論文形式の試験が減り、面接やディスカッションなど別の形式にシフトしていく企業も増えるかもしれません。

ただし、少なくとも現時点では、多くの企業で論文試験は続いています。そして、その論文で見られているのは、きれいな文章かどうかではなく「その人自身の考え」です。

生成AIをどう使うかを考えるときも、この点を忘れないことが大切だと思います。


まとめ

ChatGPTなどの生成AIの登場によって、昇格論文の準備の仕方も大きく変わりつつあります。

生成AIは、論点整理や構成の確認といった形で補助的に活用する分には役に立つ場面もあります。一方で、文章そのものをAIに任せてしまうと、自分の考えを十分に整理できないまま試験に臨むことになりかねません。

もし、「自分の考えが整理できているのか」「この内容で論文を書いてよいのか」と迷う場合は、第三者の視点で整理することで見えてくることもあります。

当サイトでは、昇格試験や論文対策についての無料カウンセリングも行っています。現在の状況を整理したい方は、よろしければお気軽にご相談ください。


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