【昇格試験に落ちたらどうする?】手応えなし・不合格からの立て直し方と再受験のコツ

目次

はじめに

昇格試験の結果通知を見て、肩を落とした方も多いのではないでしょうか。

面接の手応えがなく、結果も不合格。努力してきただけに気持ちの整理がつかない・・・そんな声をよく聞きます。

でも、昇格試験は一度落ちたら終わりではありません。人事の現場では、初回で不合格になる人が再受験を経て昇格していくケースがたくさんあります。

この記事では、元面接官・現コンサルタントの視点から、「落ちた後にどう立て直せばいいか」「再受験までに何を準備すべきか」を、3つのステップで整理していきます。

昇格試験のよくある悩みと不安の乗り越え方については以下の記事でまとめています。
👉 昇格試験のお悩み相談まとめ


昇格試験に落ちた直後はどうすればいい?

まずは、気持ちを整える時間をとることが大切です。

不合格の結果を受けると、「自分は向いていないのかも」「評価されなかった」と感じがちですが、それは早計です。

人事の立場から見ると、昇格試験の合否は能力だけでは決まらないことが多々あります。たとえば、昇格枠や昇格率の調整や推薦人数の上限など、個人の努力だけでは動かせない事情も少なくありません。

もちろん、悔しさや落ち込みは自然なこと。

しかし、「何が悪かったのか」をすぐに分析しようとするより、まずは自分の頑張りを労う時間をつくりましょう。落ち着いた気持ちで次の一歩を考えるための準備期間です。


「不合格=実力不足」と決めつけない

昇格試験の評価は、単に「試験の出来」だけで決まるわけではありません。面接や論文は、これまでの経験や考え方を限られた時間で伝えるという特殊な場です。

私が再受験の方を支援していてよく感じるのは、何度か対話を重ねるうちにようやくその人の本当の良さが見えてくるということです。

たとえば「過去の成功体験」について話してもらうと、最初は事実説明にとどまっているのに、質問を重ねるうちに「なぜそのやり方を選んだのか」「そこにある価値観」を少しずつ言葉にできるようになる。その瞬間にようやく、その人らしさが伝わってくるのです。

私は支援者として時間をかけて相手の良さを引き出すことができますが、実際の面接では面接官に興味を持たれず、良さが十分に伝わらないまま終わってしまうケースが少なくありません。つまり、不合格の原因が「伝えきれていない」ためであることも多いのです。

だからこそ再受験では、「どうすれば自分の経験や考え方を端的に伝えられるか」という再現性を意識することが大切です。実力よりも「伝える力」の差が、結果を分けることがあります。


昇格試験で受からない人に共通する3つの傾向

再受験に向けて立て直す前に、まずはどこにズレがあったのかを見つめ直しましょう。多くの受験者を見ていると、落ちる人には次のような傾向があります。

  1. 準備の偏りがある
    論文や面接のどちらかに時間を偏らせてしまい、全体のバランスが取れていない。
  2. 評価基準を誤解している
    「アピール上手」が評価されると思い込み、組織視点や課題解決力の説明が弱い。
  3. 本番で力を出し切れない
    緊張や想定外の質問に戸惑い、自分らしさを表現できない。

特に3つ目は誰にでも起こり得ます。だからこそ、しっかり準備をして本番に臨むことが大事なのです。

なお、「なぜ受からなかったのか」をより具体的に知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
👉 【元面接官が語る】昇格面接で受かる人・落ちる人の違いと合否を分けるポイント


再受験に向けた立て直しの3ステップ

では、次の昇格試験に向けてどのように準備を整えればよいのでしょうか。ここでは、再受験に向けた3つのステップを紹介します。

① 振り返る

不合格通知を受け取ったら、上司面談や評価コメントを丁寧に整理しましょう。

「なぜ落ちたのか」を一人で考えるより、評価者の言葉にヒントが隠れています。特に「次回への期待」や「課題」がある場合は、必ずメモしておきましょう。

そして、再受験者にとって最も大切なのは「昨年から何が変わったのか」を自分の言葉で説明できるようにすること。

私は面接官時代、再受験の方には必ずこの質問をしていました。

「昨年の受験後、何をどう振り返り、この1年間でどのように成長したのか」。この問いへの答えが明確な人ほど、面接での説得力が違います。

面接官が見ているのは、前回たとえ不合格であったとしても、そういった困難な状況をどう受け止め、どのように乗り越えたかという姿勢です。その過程にこそ、リーダーとしての人間性や成長意欲が表れます。

② 再設計する

苦手だった領域を中心に、1年単位で計画を立てるのがおすすめです。

  • 面接で緊張した → 模擬面接で慣れる
  • 論文構成が弱かった → 過去テーマを使って練習する
  • 伝える力を高めたい → 上司や同僚にプレゼン機会をもらう

また、日常の業務でも「伝え方を磨く練習」はできます。

打ち合わせや報告の場で、話の組み立てを意識したり、「結論→理由→具体例→再結論」の順で話してみたりすることも立派な実践です。

社内やお客様への発表、資料説明などを積極的に引き受けるのも良いトレーニングになります。

こうした日々の積み重ねが、再受験時の自信につながります。

③ 継続する

試験対策は短期集中よりも継続力がものを言います。

再受験を間近に控えて慌てて準備を始めるより、時間をかけて継続して準備を行う方が圧倒的に成長できます。春〜夏にかけては論文、秋は面接準備というように、季節ごとの区切りを作るのも良い方法です。

そして、第三者の視点を入れることも重要です。

自分では気づかない話し方の癖や弱点、論理の抜けなどを客観的に見てもらうことで改善スピードが上がります。

「この話し方、面接官に伝わるかな?」と感じた方は、一人では気づきにくい「話し方のクセ」を一緒に整理していきましょう。無料カウンセリングでは、実際の回答例をもとにアドバイスしています。


まとめ:「意味ない」と感じたときに考えてほしいこと

不合格を経験すると、「もう意味がない」「次もどうせ同じ」と感じることがあります。

でも、昇格試験は結果だけでなく過程に意味がある試験です。自分の仕事を言葉にし、課題を整理し、成長の方向性を確認する。それ自体がキャリアの棚卸しであり、必ず次のチャンスにつながります。

「また挑戦したい」と思えたとき、すでに一歩前へ進んでいます。焦らず、少しずつ準備していきましょう。

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