はじめに:準備しているのに、不安が消えないあなたへ
昇格面接の準備をしていると、「どんな質問が多いの?」「どう答えればいいの?」と悩む方は多いものです。
面接対策本やネットの回答例を見ても、どれも正しそうに見えて、自分の言葉に落とし込むのは意外と難しいですよね。
私も企業の昇進・昇格試験で多くの受験者の面接を担当してきましたが、合否を分けるのは話し方の上手さではなく、考えを整理して伝える力です。つまり、どんな質問にも動じない「考え方の軸」を持っているかどうか。
本記事では、実際の昇格面接でよく聞かれる質問例と回答例、面接官の視点、話し方のポイント、更問い(掘り下げ質問)への備え方までわかりやすく解説します。
面接全体の流れや準備の進め方を知りたい方は、こちらのガイドも参考にしてください。
👉 昇格面接の全体像と対策をまとめたガイド
昇格面接でよく聞かれる質問10選【回答例と話し方のポイントつき】
昇格面接では、採用面接と似た質問もありますが面接官の視点は異なります。
「この人に一つ上の等級(または将来的にそれ以上)の役割を任せられるだろうか?」それが、面接官が見ているポイントです。
それでは、よくある質問と回答例を具体的に見ていきましょう。
- 自己紹介をしてください
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私は〔部署名/役職〕で主に○○の業務を担当しており、昨年は〔案件・テーマ〕で〔成果〕を達成しました。部署内では他部署との連携や後輩育成の役割を担っています。
💡ポイント:
経歴説明ではなく「現在の業務と役割」を中心に述べる。 - 一番の成果・実績は?
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昨年担当した○○プロジェクトでは、〔成果〕を実現しました。部門をまたぐ課題共有の場をつくり、関係者の意思決定を早めたことで△△という課題を乗り越え目標を達成することができました。
💡ポイント:
成果については数値で示す。 - 強み・弱みは?
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強みは粘り強さと合意形成、弱みは慎重になり過ぎる点です。この弱みの改善のため、期限前レビューを設けて意思決定を前倒しにすることを徹底しています。
💡ポイント:
弱みは改善策もセットで話し、改善の努力を示す。 - 仕事で一番大切にしていることは?
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私は、チームワークを一番大切にしています。個人や自組織の成果も重要ですが、会社全体として成果を最大化することが何より重要だと考えています。
💡ポイント:
個人ではなくチーム・組織視点で話す。 - 理想のリーダー像は?
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目的を明確にし、任せて育てるリーダーです。実務では問いかけを増やし、メンバーが自分で打ち手を選べる環境づくりに注力しています。
💡ポイント:
チーム全体の成長や成果を語る。 - 現在と昇格後の違いは?
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現在の立場では、主に自分の業務を遂行しながら上司のサポートを行う役割を担っています。今後は単なる担当者ではなく、チームで成果を創出する役割が求められると考えています。
💡ポイント:
マネジメント・リーダーシップの視点を意識する。 - 後輩育成で意識していることは?
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やり方を教える前に、狙いと評価基準を共有します。定例1on1でふり返りと次の一手を本人に言語化してもらう形を続けています。
💡ポイント:
相手の考えを引き出す姿勢を示す。 - 昇格したい理由は?
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これまでの経験を活かしより高い視座で組織に貢献したいためです。〔テーマ例:生産性/品質/顧客満足度〕に関して○○を実現したいと考えています。
💡ポイント:
自身の成長意欲だけでなく、組織への貢献を中心に話す。 - 失敗から学んだことは?
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〔失敗事例〕では初期の情報把握が不十分で計画の遅れが出てしまいました。以後は1週間ごとに情報をアップデートし関係者と共有することで、合意形成の迅速化を図っています。
💡ポイント:
失敗→改善→成果を簡潔に説明する。 - 最後に何か言いたいことや質問は?
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これまでの経験を活かし、管理職として組織に貢献していきたいと考えています。本日はありがとうございました。
💡ポイント:
自分の言葉で気持ちを表現する。
特に、面接の最初と最後は印象を左右します。詳しくはこちらの記事で解説しています。

更問い(深掘り)に動じない準備法3つ
昇格面接を受ける際のもう一つの大きな悩みが、面接官からの深掘り・掘り下げ質問ではないでしょうか。
例:「チームワークを大切にしています」→「あなたにとってチームワークとは何ですか?」
このような更問いで答えに詰まってしまうのは、準備不足というよりは考え方の整理不足です。
深掘りされたからと言って答えを変える必要はありません。大事なのは、同じ軸の中で話を具体化できるかどうかです。
ここでは、更問いに動じないための3つの準備法を紹介します。
- 1.どのような更問いがありそうか想定する
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自身の回答内容を客観的に振り返り、「上司だったらどのような質問をしてくるかな?」「初めての人にとってわかりにくいところはどこだろうか?」といった視点で、想定される更問いを洗い出します。
- 2.回答内容を要素分解する
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回答を丸暗記するより、「考え方」「行動」「結果」の順で整理しておくと、どんな質問にもブレずに答えられます。
考え方:目先の成果よりもチームの信頼関係を重視している
行動:定例ミーティングを設定し、情報共有を促進
結果:意見交換が活発化し、プロジェクトが予定通り完了 - 3.理由と今後への活かし方も考えておく
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回答内容や過去の行動に対して、「なぜそう考えたのか」「今後のへの活かし方(再現性があるのか)」まで答えられると、回答の説得度が上がります。
不安を感じたら、第三者に相談しよう
当サービスでは、実際の質問を使った模擬面接を行い、「更問い」への答え方や話し方の整理をサポートしています。
今なら無料カウンセリング特典として、『面接でよく聞かれる質問20選PDF』をプレゼント中。
ひとりで抱え込まず、客観的なフィードバックを受けてみませんか?
さらに、面接試験の評価項目や準備についても確認しておくと安心です。
まとめ|昇格面接で差がつくのは「内容」よりも「伝え方」
昇格面接では、あなた自身の言葉で語ることが大切です。
質問の意図を理解し話の一貫性を意識することで、どんな質問・更問いにも動じない本番力が身につきます。
不安を感じたまま本番を迎えるのではなく、今できる準備を一つずつ整理していきましょう。
客観的な視点がほしいときは、私たちがサポートします。
